北海道における在留資格の状況
1.北海道における在留資格の状況
北海道における在留資格の状況は、近年の深刻な人手不足を背景に、就労目的の在留者が急増しているのが大きな特徴です。
最新の統計データ(2024年~2025年公表分)に基づき、主な状況を整理しました。
1. 全体的な傾向:10年で約3倍に増加
北海道内の外国人住民数は、2014年の約2.3万人から、2024年には約6.7万人へと急増しています(約2.9倍)。かつては「永住者」などの身分系資格が中心でしたが、現在は「技能実習」や「特定技能」といった労働力としての在留資格が大きな割合を占めています。
2. 在留資格別の構成
北海道の大きな特徴は、全国平均と比較して一次産業(農業・漁業)に関わる資格の比率が高い点です。
| 在留資格 | 特徴・状況 |
|---|---|
| 技能実習 | 全体の約24%(約1.6万人)を占める最大勢力。特に農業・漁業の現場を支えています。 |
| 特定技能 | 急成長している資格。技能実習から移行するケースが多く、農業分野では全国の約1割が北海道に集中しています。 |
| 技術・人文知識・国際業務 | ITエンジニアや通訳など。札幌圏を中心にホワイトカラー職種での在留も増加傾向にあります。 |
| 資格外活動(留学生) | 札幌市内の専門学校や大学に通う留学生。アルバイトとしてコンビニや物流を支える側面もあります。 |
3. 分野別の特筆すべきポイント
- 農業(特に酪農): 北海道の農業を支える外国人のうち、半数以上が酪農部門に従事しています。これまでは技能実習がメインでしたが、現在はより長期滞在が可能な「特定技能」への切り替えが加速しています。
- 観光・リゾート(ニセコ・富良野等): 冬期間を中心に、オーストラリアやアジア圏からの「特定活動(ワーキングホリデー)」や、ホテルでの「技・人・国(技術・人文知識・国際業務)」資格者が多く見られます。
- 製造・建設: 食品加工や建設現場でも特定技能の受け入れが広がっており、地方都市の貴重な労働力となっています。
4. 課題:道外への流出
北海道で技能実習を終えたあと、特定技能に移行する際に「より賃金の高い関東圏」などへ道外転出してしまうケースが一定数(約2割強)存在します。これに対し、道や各自治体では「多文化共生」を掲げ、日本語教育の支援や生活相談窓口(北海道外国人相談センター)の設置など、定着に向けた環境整備を急いでいます。
[補足] 育成就労制度への移行
現在の「技能実習」は、今後「育成就労」という新しい制度に代わることが決まっています。これにより、北海道の基幹産業である農業や漁業において、より柔軟な人材確保と長期的な定着が期待されています。
◇ちなみに石狩郡全体では、当別町に約240名~250名、新篠津村に約60名~80名程度の外国人が在留しています。
- 当別町: 留学生や専門職、農業従事者が混在する「多様化」タイプ
- 新篠津村: ほぼ純粋に「農業労働力(技能実習・特定技能)」が中心のタイプ
2. 主な在留資格の構成
■ 当別町:教育と職住のバランス
当別町には北海道医療大学(※移転計画はあるものの現時点では在留拠点)があるため、他の郡部と比較して「留学」や「高度専門職」「教授」といった学術系の資格者が一定数存在します。
| 在留資格 | 特徴 |
|---|---|
| 留学 | 町内最大のグループの一つ。医療・福祉系を学ぶ留学生が中心。 |
| 家族滞在 | 研究者や専門職の家族。安定した生活基盤があることを示唆しています。 |
| 技能実習・特定技能 | 主に切り花の栽培や、米・野菜の生産現場で活躍中。 |
| 技術・人文知識・国際業務 | 近隣の石狩市や札幌圏へ通勤するホワイトカラー層も居住。 |
■ 新篠津村:農業の即戦力
新篠津村は純然たる農業村であり、在留者の大半が「技能実習」と、そこから移行した「特定技能」で占められています。
- 特定技能(農業): 技能実習からの移行が進んでおり、収穫期だけでなく年間を通じた雇用形態へのシフトが見られます。
- 国籍: ベトナム、インドネシア、中国などが中心です。
3. 地域固有のトピックス
- スウェーデンヒルズ(当別町)の影響: 北欧との交流が盛んな地域であるため、短期・長期を問わず欧州圏の在留者が(数は少なくとも)継続的に存在しており、道内の他郡部に比べて欧米系の比率がわずかに高い傾向があります。
- 農業のスマート化と人材: 石狩郡は大規模農業が盛んなため、単なる労働力としてだけでなく、スマート農業機器の操作を担うような「特定技能」人材の育成・確保に注力する農家が増えています。
当別町の今後の展望については、北海道医療大学の北広島市への移転(2028年予定)が発表されているため、今後は「留学」資格者が減少し、代わりに工業団地や農業分野での「特定技能」者が主軸になっていく過渡期にあります。石狩郡は札幌市に隣接しているため、地方特有の「閉鎖性」が少なく、外国人にとっても買い物や礼拝(札幌市内の施設利用)などの利便性が高く、定着率が比較的安定しているエリアと言えます。
石狩郡当別町⇒ https://visa-shien.net/hokkaido/15542
◇また、ニセコ町における在留資格の状況は、北海道内でも極めて特殊で「国際リゾート地」としての観光・サービス業、そして近年では「富裕層の長期滞在や投資」を反映した構成になっています。北海道全体の外国人住民はベトナムや中国などのアジア圏が主流ですが、ニセコ町はオーストラリア、イギリス、アメリカなどの英語圏の比率が高いのが最大の特徴です。
- 冬季限定の流動層: ワーキングホリデーや短期の特定活動。
- 通年の定住層: 経営者、専門職、およびその家族。
主な在留資格とその内訳
ニセコ町では、以下の4つの資格が状況を象徴しています。
| 在留資格 | 特徴と役割 |
|---|---|
| 特定活動(ワーホリ等) | 冬季のスキーシーズンに急増。インストラクターや飲食店スタッフとして活躍。 |
| 技術・人文知識・国際業務 | ホテルのフロント、コンシェルジュ、マーケティング職など。英語・多言語対応が必須の職種。 |
| 経営・管理 | 外資系ホテルや不動産開発、飲食店を経営する外国人オーナー。投資規模の拡大により増加傾向。 |
| 特定技能(宿泊・飲食) | 深刻な人手不足を補うため、ネパールや東南アジアからの受け入れが急速に拡大中。 |
ニセコのライフスタイルを気に入り、家族で移住するケースが増えています。町内の小中学校における外国籍やダブルの子供の割合は、道内でもトップクラスです。しかし在留資格を持っていても、家賃の高騰により「住む場所が見つからない」ことが受け入れのボトルネックになってします住宅不足が問題になっているようです。
北海道虻田郡ニセコ町⇒ https://visa-shien.net/hokkaido/15016
◇最後に函館市における在留資格の状況は、道内他都市と比較して「水産加工業を支える技能実習」と「観光・教育・永住による地域密着」のバランスが取れているのが特徴です。
函館を象徴する主な在留資格
| 在留資格 | 特徴と役割 |
|---|---|
| 技能実習 | 函館の基幹産業である水産加工業(イカ、コンブ、ホタテ加工など)の現場を支える最大の資格です。 |
| 特定技能 | 2024年以降、技能実習からの移行が加速。特に「飲食料品製造業」や「外食」分野での定着が目立ちます。 |
| 永住者 | 全体の約4分の1を占めます。古くからの港町として、地域社会に深く根付いている外国人が多いことを示しています。 |
| 留学 | 北海道大学水産学部や公立はこだて未来大学、ロシア極東連邦総合大学函館校などの学生。専門性の高い人材層です。 |
函館市全体の人口が減少する中で、外国人住民の比率はまだ1%未満(約0.6%)と全国平均(約3%)に比べると低い状況です。しかし、2025年の統計では「若年層の労働力」としての依存度が年々高まっており、今後は以下の点が注目されます。
- 特定技能2号への期待: 熟練工として家族を呼び寄せられる「2号」への移行が進めば、単なる労働力ではなく「定住市民」としての側面が強まります。
- 日本語教育支援: 函館市外国人相談窓口(HIFなど)を通じた、生活・言語支援の充実が定着の鍵となっています。
函館市⇒ https://visa-shien.net/hokkaido/14257
函館市⇒ https://visa-shien.net/hokkaido/15551